「ふらの劇的な旅」 ~演劇的手法でまち全体を劇場にプロデュース~

団体名
一般社団法人ふらの観光協会
背景

北海道中部に位置する富良野市は、基幹産業の農業のほか豊かな自然を活かした観光産業も盛んな市。富良野市を一躍有名にした、テレビドラマ「北の国から」の脚本を手がけた倉本聰ゆかりの地であり、現在は閉塾したが2010年まで倉本主催のシナリオライター・俳優養成機関「富良野塾」が営まれていた。現在も富良野塾OBを中心とした「富良野GROUP」が活動中で、公演など様々な創作活動を行っている。

ストーリー概要

富良野の街全体を劇場空間として、「富良野GROUP」のプロの役者がガイドを務め、起承転結のストーリー性を持った「想像力を刺激する旅」を提供。劇場を起点として、富良野の自然や食、プロの役者の演技に触れながら、観光客がただの「観客」から「参加者」へと変わっていく「劇的な旅」を提供する。

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作成した地域ストーリー

2015.10.09

モニターツアーが開催されました

2015/10/03-04

ふらの”劇的な旅”のモニターツアーが開催されました。

その様子をレポートします。

今回のモニターツーの参加者はインターネットで応募のあった男女8名です。

「劇的な旅」の詳細は明かされておらず、どこに行くのか、何をするのか、という事前情報がほとんどないままの旅のスタートです。

〇1日目

<出発>

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富良野駅に集合し、観光バスに乗り込みました。車中では富良野塾OBの役者が扮した「CA風ナビゲーター」が登場。旅の上での注意等のナビゲートを行う演出が行われました。

<原始の泉>

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湧き水が出る「原始の泉」に到着すると、富良野弥栄太鼓保存会による太鼓の演奏でのおもてなしが。演奏が終わると各自に水筒が配られ、湧き水を汲みました。

ここでもカフェのオーナーに扮した富良野塾OBの役者さんによる原始の泉の説明が行われました。

<フットパス>

水を汲み入れたら、原始の泉~布礼別小学校前まで約4キロのフットパスを行いました。途中、休憩のポイントではCA風ナビゲーターの皆さんによるスープのおもてなしがありました。

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<富良野塾跡地>

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富良野塾跡地では、富良野塾OBの東氏より富良野塾の説明と案内が行われました。

スタジオに入ると、そこでは富良野塾OB水津氏によるひとり芝居「森の楽団」が演じられました。「森の楽団」は新富良野プリンスホテル敷地内のニングルテラスにある手作りの人形の店で、富良野塾の卒業生である高井誠氏をモデルにした演劇だそうです。

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<時計回りの丘(かんのさんの畑)>

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富良野塾跡地を出発し、景色と集合写真を撮ろうと車から降りると、玉ねぎを収穫中の農家がいました。集合写真を撮り、最後に農家さんを交えての記念撮影中、今回の旅のガイドである福島氏から「今日も明日もハッピーな日でありますように!」の掛け声と共に、農家さんたちがゴスペルのオーハッピーデーを歌い始めました。実は収穫中の農家さんではなく、農家に扮したスノーサウンズというゴスペルサークルの皆さんの仕掛けとなっていました。

<多田農園>

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多田農園ではワインブドウの畑の見学や和梨の収穫、梨をその場で絞って飲むというような体験を行い、今晩の夕食の材料のおすそ分けをいただいた。多田農園にも農家に扮した富良野塾OBの役者がおり、ガイドの補助等を行っていました。

<ナトゥールバルト(宿泊地)>

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1日目の終わりに、宿泊地であるナトゥールバルトにて夕食を囲みました。ここでは、チーフマネージャーに扮した富良野塾OBの役者さんが料理のサーブを行ったり、料理長に扮した福島氏が登場し、料理の説明を行いました。

参加者の中には、福島さん扮する料理長がご本人だと気づいていない方もいらっしゃいました。

お料理は富良野の食材をふんだんに使用したメニューとなっており、満足度も非常に高かったようです。

〇2日目

<北の峰(ゴンドラ)>

 

北の峰までゴンドラに乗車しました。

山頂までのゴンドラで移動する間、トランシーバーにてラジオ放送が行われ、トランシーバーのため、旅の参加者もラジオ番組に参加できる演出が行われていました。

<北の峰山頂>

北の峰山頂では、1日目の原始の泉でも出会った富良野塾OBの役者扮するカフェ「空の峰」からスープが振舞われました。山頂より富良野の景色を見渡しながら、松木氏より富良野の説明が行われました。当初は山頂にて朝食の予定ででしたが、悪天候のため急遽ホテルでの朝食に変更となりました。

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<2つのコース>

朝食後は、2つのコースに分かれて旅の続きを行いました。

<1.エゾアムプリン、黒木農園>

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エゾアムプリンでは全て北海道産の材料でつくられたプリンと、作る人の想いにふれ、黒木農園ではミニトマトを畑から採り、試食させていただくという体験を行いました。タッチポイントとしてトマトジュースを買うことができ、参加者全員が買っていました。

<ぶどうの収穫体験、ワイン三昧>

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ふらのワインのブドウ畑で収穫体験を行い、製造工程を見学、ワインの試飲を行いました。寒い中にも関わらず、参加者の皆様は夢中で収穫体験を行っていたそうです。

<演劇工場>

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旅のファイナルは演劇工場です。福島カツシゲ氏作・演出による富良野塾OB「ドコカダレカ」の舞台の上演が行われた。最後に、旅の写真のスライドが流れ、旅の振り返りを行いました。観劇後は、「おすそわけ」ということで、体験していないツアーのお土産を持ち寄り、試食を行いながら、富良野塾OBの役者さんとの触れ合いを楽しみました。

「野外を劇場に」という今回のツアーは天候との戦いだったようです。今後、悪天候を想定した場合のプランの構築なども行う必要があると感じたようです。

今回のツアーの参加者は、富良野に想い入れがあり、演劇が好きだという方が多く参加されていました。

そのため、役者さんと触れ合い、演劇をより身近なものに感じることができる今回のモニターツアーは非常に満足の高いものだったようです。

今後このモニターツアーの結果を受け、経験ストーリーの策定に向け検証を行います。

 

2015.08.25

ふらの観光協会~第2回有識者会議~

2015/08/18-19

ふらの観光協会「劇的な旅」第2回有識者会議が行われました。

前回行われた現地視察やペルソナ・マーケティング調査の結果を踏まえ、現在の進捗状況の共有や、10月に予定されているモニターツアーの内容確認などが行われました。

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1日目はペルソナ・マーケティングの調査報告、ストーリー作成状況報告及び協議が行われました。

札幌と東京で実施されたペルソナ・マーケティングは、思うようなペルソナ像に出会うことができず、「ペルソナを設定して地域ストーリーをつくる」という本事業の難しさを感じたようです。

しかし、今回の調査を通し、一人の女性像が浮かびあがってきました。今回の地域ストーリーは、この女性をペルソナとして進められていきます。

 

「ストーリー作成」の状況報告では、劇的な旅のチラシに載せる旅のあらすじを元に、話し合いが行われました。

『演劇』×『旅』という今回の地域ストーリーの肯定は、第一幕、第二幕・・・というように、演劇のシナリオのように構成されているようです。

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2日目は、チラシ、CMの内容の協議、宣伝戦略の協議を中心に会議が進められました。

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事前に作成された動画、ポスター、チラシを元に意見交換がなされました。今回のストーリー事業で、『演劇×旅=エンタビ』という新たなキーワードが誕生したようです。

旅の概要だけでなく、広告に記載すべきキャンセルポリシーや個人情報の取り扱い等といった細かい留意点などについても確認を行いました。

宣伝に関しては広告を乗せるWeb媒体や、facebookやtwitterなどのSNSの有効な活用方法などについて議論が交わされました。モニターツアーの告知だけでなく、今後、「エンタビ」という言葉をいかに浸透させるかというのも一つの課題となりそうです。

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ふらの観光協会では10月3日、4日の二日間に「劇的な旅」のモニターツアーを予定しています。

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2015.07.27

グループインタビューレポート

2015/7/15

東京都内で行われた地域ストーリーのターゲットとして想定される人物を対象にしたグループインタビューの様子を取材しました。

インタビューにご協力いただいた方には、

・対象者の属性、ライフスタイル、趣味・趣向等

・旅行に関すること(回数、行き先、情報媒体等)

・ストーリー案「劇的な旅」の感想

についてグループインタビューを実施し、感想を伺っていました。

今回ふらの観光協会では、地域ストーリーのターゲットの想定として富良野への来訪経験があり、世間一般に比べて旅行経験の豊富な女性を招集してヒアリングを行いましたが、年齢層や家族構成によって、旅行に対する考え方や実態は当初の想定とは異なっているということが明確になったそうです。

写真は打ち合わせの様子です。

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2015.07.23

一般社団法人ふらの観光協会~現地視察~

2015/7/12-13

ふらの観光協会は、「ふらの劇的な旅2020」~演劇的手法でまち全体を劇場にプロデュース~至福の旬感プロジェクト」として、本事業を進めています。

今回は、デザイン会議とモニターツアーの”劇場”となる候補地の現地視察に同行させていただきました。

視察させていただいた候補地の一部と、会議の様子をご紹介します。

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今回、ふらの観光協会が実証事業として計画しているモニターツアーでは、”ガイドブックに載っていない富良野”もテーマのひとつとなっています。

「東山の平沢の農道」もその一つ。風を感じ、葉の擦れる音を聴きながら、まさに富良野らしい風景を全身で感じることのできるこの農道は、フットパスのポイントとして検討されているようです。

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「富良野塾」は作家の倉本聰氏が1884年に解説したシナリオライターと俳優の養成所です。塾生の手で造られた建物や、今回のストーリー事業で伝えたい「起草文」が彫られた石碑があります。普段立ち入ることの出来ない富良野塾の跡地ですが、今回の劇的な旅の舞台の一つとして検討しているようです。

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「多田農園」はブドウや野菜の栽培に加え、ワインやニンジンジュースなどの6次産業化まで取り組む農家さんです。

日本最北で採れるメルローやピノ・ノワールといったぶどう栽培のお話を伺うことができます。今回のストーリー事業では、農家さんとのふれあいの場、農業体験の場として考えられているようです。オリジナルのニンジンジュースやワイン、グッズなども取り扱っており、タッチポイントとしても期待されます。

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「演劇工場」は平成12年10月にオープンした、全国初の公設民営劇場です。全国認証第一号の民間非営利法人「ふらの演劇工房」がボランティア組織で運営を受託管理しており、建設の際には作家、倉本聰氏が深く関わり、演劇に特化した劇場となっているそうです。

この演劇工場は、今回の”劇的な旅”の出発地点であり終着地点に予定されており、まさに『旅の舞台』となる場所だそうです。

 

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デザイン会議では、候補地を基にしたストーリーの提案や、ペルソナの検討などが行われました。

数多くある資源をどのように”劇的”に演出していくのか?どのように繋げるのか?またどのように削ぎ落としていくか?これらが今後の課題となりそうです。