観光×急傾斜地伝統農業文化×特産品×交流=“感動共感産業”創出

団体名
一般社団法人 そらの郷
背景

にし阿波と呼ばれる徳島県西部地域は、山間の急傾斜地に農業を営む集落が点在、それぞれに異なった文化を持つ「日本の秘境」とも言える地域。山間部では過疎化と高齢化が進んで消滅の危機に瀕している集落もあり、伝統農業や文化を継承していくためにも、観光による地域活性化が望まれている。

ストーリー概要

「桃源郷」と比喩されるほどの秘境の景色を探検する「集落体験」を提供。急傾斜地の集落で営まれる農業文化(祭祀や習俗)体験、現地住民との交流、高地傾斜地ならではの食事、集落内の茅葺き古民家への宿泊をストーリーにして「山里の密やかで豊かな暮らし」を感じてもらう観光を開発する。

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作成した地域ストーリー

2016.01.07

そらの郷モニターツアー開催!

2015/12/26-27

そらの郷のストーリーである『限界集落が挑む! 観光×急傾斜地伝統農業文化×特産品×交流=“感動共感産業”創出 “桃源郷「そらの郷」の確立”』の、モニターツアーが開催されました。

そらの郷のペルソナが外国人ということもあり、イギリス、カナダ、アメリカ、アイルランドの出身者が今回のモニターツアーに参加していました。

<1日目>

○歩危マート

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JR大歩危駅の付近にある歩危マートにて、お茶の振る舞いのおもてなしがなされました。お茶は自分で石臼で挽いていただきます。珍しさやお茶のおいしさが好評のようでした。

○かずら橋

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続いて、かずら橋を渡ります。かずら橋を渡るという体験は、これから祖谷に入っていくゲートウェイとしての意味を持たせており、渡りきった参加者からは、興奮の声が聞こえていました。

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その後、近くの琵琶の滝を訪れ、琵琶の滝とかずら橋の関係性や、ここにはかつて集落に続く入り口があり、その場所には結界をはっていること、集落内に悪いものが入らないようにと、先人の工夫や知恵などを説明を受けました。

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○ちいおりトラスト

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ちいおりトラストでは古民家の見学が行われ、茅葺きや壁のつくり、住まい方などについて説明を受けました。

○昼食

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昼食はそば打ち体験塾をされている食事処にて、地元で取れるアメゴ(魚)や野菜、祖谷そばなどを調理した、平家御前をいただきました。代表の都築氏の歌(そば打ち体験の際に歌う歌)の披露もあったりと、地元ならではのあたたかいおもてなしがありました。

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モニターツアーの参加者からは、また来たい、どうしたら予約できるかなどの意見が聞かれ、満足度が高い様子でした。

○落合集落

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続いて、重要伝統的建造物群保存地区であり、全国でもめずらしい高地集落である落合集落を望みました。絶景を目の当たりにした参加者からは「すばらしい」との声があがっていました。

○かかしの里(名頃集落)

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次に、かかしの母親である綾野氏の案内のもと、かかし作成の秘話や名頃小学校(かかしが勉強している小学校)の紹介をいただきました。見慣れぬかかしに、参加者からは不気味、興味深い、面白いという意見が聞かれました。

○ひらら焼き

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落合集落の南氏のおもてなしで、石の上に味噌で囲いをつくり、アメゴや豆腐、コンニャク、じゃがいもなどの野菜を入れて焼く「ひらら焼き」をいただきました。普通のツアーでは味わうことのできない料理や地元の方とのふれあいができ、参加者は良い体験となった様子でした。

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ツアーの中では、参加者に落合集落の古民家の宿泊施設「談山」にて、参加者との交流会とツアーに関する感想や問題点を伺うヒアリングを行う場が設けられました。

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主な意見は以下の通りです。

  • ガイドブックにない、普通のツアーでは体験できないことが体験できたことは、非常に有意義であった。
  • 地元の人が迎え入れてくれたことは、素晴らしかった。あたたかいおもてなしを感じた。
  • 祖谷地域は道が複雑で、自分がいまどこにいるのかわからなくなる。しかも、地図がデフォルメされており、迷ってしまう。距離感がわかるリアルな地図が欲しい。
  • このツアーをするにあたって、しっかりとした情報発信が必要。
  • Google map で主要場所についてピンが登録されているとわかりやすい。
  • 欧米の観光客はツアーがあまり好きではない。そのような人でも楽しめる工夫や情報発信が必要。
  • 欧米の観光客は、ペース配分が大事であり、もっとゆっくり、ゆったりしたい。車がメインではなく、歩いてもよい。今回のツアーは急ぎすぎなところがあった。
  • 地元の人の暮らしが体験できることが大切。良い所を教えてもらうことも必要であるが、良い所は自分で見つけたい。
  • 地元の人の物語を聞きたい。
  • 通訳ガイドの大西氏が地元の方とのコミュニケーションの架け橋となってくれたことは良かったが、個別での対応ができるともっとよい。

ペルソナとなりうる外国人ならではの意見も聞かれ、今後のストーリーづくりに活かせそうです。

<2日目>

○ひの字渓谷

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・景観の雄大さがすばらしい、「ひ」の形をしている渓谷を望みます。参加者からも「すばらしい」と感嘆の声が上がっていました。

○小便小僧の見学、祖谷温泉でのティータイム

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・宿泊施設の祖谷温泉の近くにある、名物の小便小僧の像を見学し、祖谷温泉にて休憩を取りました。

○大歩危峡観光遊覧船

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続いて、観光遊覧船にて、ダイナミックな大歩危峡や吉野川の流れを体験しました。

○加茂の大クス

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東みよし市にて、国指定特別天然記念物の加茂の大クスを見学しました。クスノキの大きさに驚きの声があがっていました。

○昼食

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2日目の昼食は、ジビエ料理(イノシシのしゃぶしゃぶ、鹿肉の焼き肉)でした。外国では、ジビエ料理は高級品だそうです。日本人にとって、食べきれない量の料理を出すことは礼儀ですが、外国人にとっては、もったいないと感じるなど、残してはいけないというプレッシャーになることもあるようで、文化の違いを学ぶ場にもなります。

昼食後は、つるぎ町の一宇峡を代表とする名所の「土釜」、県下随一の落差85mを誇る「鳴滝」を見学しました。

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○猿飼集落のそば畑

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さらに、傾斜30度のそば畑の見学し、実際にその傾斜を体験するため、上から下まで歩いて下る体験を行いました。

○うだつの町並み

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最後に、美馬市のうだつの町並みを見学し、うだつの由来などの説明を受けていました。

 

2日間を通じて、参加者の満足度は高いようでした。特に、地元の人との会話やふれあいに対しては、貴重な体験ができたとの意見が多かったようです。

 

しかし、短期間で多くの場所、多くの人を巡ったため、もっとゆっくり、ゆったり体験したいという声があったようです。

実際にペルソナになりうる外国人を対象に今回のモニターツアーを開催し、良いところと課題点を明らかにすることができたようでした。

 

 

 

 

 

 

 

2015.12.01

第4回にし阿波ストーリー創出会議

2015/11/17

一般社団法人そらの郷で、第4回にし阿波ストーリー創出会議が開催されました。

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まず10月29~30日にかけ行われた経験ストーリーを検証するための映像撮影の報告が行われました。

次に、WEBアンケート及びグループインタビューの結果を踏まえ、ペルソナの検討が行われました。

そらの郷では外国人をターゲットとしており、設定するペルソナは次の通りです。

・欧米系40歳前後 知識層

・日本に5年以上滞在しており、日本語も少し話すことができる

・今は東京在住で年収1,000万円程度

・日本文化にも興味があり、大きな観光地には行っており、最近は日本の田舎に興味がある。

・アクティブで、休みに時間があれば、夫婦で一緒にどこかにでかけることが好き。

このペルソナに添った経験ストーリーの検討が行われ、ストーリーの始まりとして、「分け入る感じ」を体感するために、どこのポイントからストーリーを体感してもらうべきか等の議論が行われました。

そらの郷では、経験ストーリーを検証するためのモニターツアーを12月に開催します。そのために、それぞれのコンテンツの時間配分や見せ方などの意見交換が行われました。

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モニターツアーの集客は、チラシを用いて企業を通じて、募集を図るとともに、つながりのある日本在住の外国人のネットワークを活用して、参加者を募る予定です。開催日については、興味を持った参加者が来ることができる日程で開催することが決定しました。

次回の委員会では、モニターツアーおよび映像の視聴による実証事業終了後、検証結果をとりまとめたものが発表される予定です。

2015.11.05

経験ストーリー検証用映像撮影

2015/10/28

”そらの郷”では、経験ストーリー検証用映像の撮影が行われました。

3日間の撮影のうちの一部ですが、撮影に同行させていただいたので、その様子をレポートします。

川辺散策

美しい祖谷川の川辺では、壮大な渓谷とかずら橋を背景に、撮影が行われました。

水辺で川の流れる様子や男性モデルが女性モデルの記念撮影をする様子などの撮影が行われました。

その後、日本三奇橋の「祖谷のかずら橋」へ移動しました。

かずら橋

かずら橋は、注意深く進まないと、木の間から足が落ちてしまうような緊張感があります。そのような様子を撮影。途中、カメラマンからの演技指導もありながら、撮影が進められました。

撮影にあたっては、かずら橋を一緒に渡りながらの撮影、かずら橋のたもとから定点での撮影、かずら橋の外(かずら橋を遠景で見ることができる場所)など、さまざまな角度からの動画撮影が行われました。

続いて、ホテル祖谷温泉におもむき、露天風呂に続くケーブルカーの撮影が行われました。

ケーブルカー

露天風呂は、約170m下にあり、祖谷川や渓谷を望みながらお風呂につかることができます。そこにつながるケーブルカーは特徴的であり、その風景が撮影されました。

ミーティング

最後に、ケーブルカーで降りた先にある「まどろみの畔」で、ドローンによるケーブルカーの撮影が行われ、翌日の撮影内容、スケジュールについてミーティングをしました。

今回の経験ストーリーの動画をどう活用し、検証していくのか。

また、ペルソナに響く地域ストーリーになるか、非常に楽しみです。

2015.10.16

第3回 にし阿波ストーリー創出会議

2015/10/09

”そらの郷”の徳島では、第3回にし阿波ストーリー創出会議が開催されました。

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まず、ペルソナマーケティング調査について、ちいおりインバウンド宿泊者へのアンケート調査の結果報告が行われました。

そらの郷ではペルソナ仮説構築のため、「桃源郷祖谷の山里」のインバウンド宿泊者を対象に、顧客属性等を調査するためのアンケート調査を実施しています。9月中旬より実施しているものの、有効回答を得られていない状況であるため、引き続き調査を継続することが発表されました。

また、アンケートを確実に回収できるか不明のため、代替策として10月22~24日に2泊3日で来訪予定のナショナルジオグラフィックのツアー参加者への簡単なヒアリング調査を別途予定しているとの報告がされました。

続いて、グループインタビュー調査実施についての報告が行われました。グループインタビューは10月25日10時~/13時~の2グループ、3名ずつで実施を予定しまいます。

 

今回のグループインタビューは、在日年数が比較的浅い、高所得者の外国人を対象に実施します。

インタビュー内容はライフスタイルや価値観、旅行に対するニーズなどについて伺い、現在想定している地域ストーリー案への関心や実際に行ってみたいと思うか否か、そこでどんなことを体験してみたいのか等についても調査を行い、地域ストーリー案の更なる改善に役立てる予定だそうです。

 

また、今後実施予定のソーシャルリスニング調査についても報告が行われました。

ソーシャルリスニング調査の実施は10月下旬~11月上旬を予定しているそうです。

SNSの発信キーワードを分析することで、実際ににし阿波に訪れている訪日外国人旅行者が何に関心を持ち、どのようなことを体験しているのかを知り、ペルソナ仮説と地域ストーリー案の検証を兼ねた補完材料とするとともに、今後のSNS情報発信の際のヒントとするそうです。

次に、地域ストーリー案についての報告、経験ストーリー検証用の動画撮影の予定についての報告が行われました。

地域ストーリー案に関しては、祖谷のストーリー性が感じられず、ただの観光名所の紹介のようになっているため、ストーリー案を作成し直すこととなったそうです。

経験ストーリー検証用の映像モデルは、ペルソナ像となるオーストラリア人の30歳代の夫婦を予定しています。動画撮影は10月28~30日に実施を予定しているため、ストーリーの内容と共に、さらなるブラッシュアップが必要となってきそうです。

また10月30日には、アレックス・カー氏による3市町地域資源調査の実施が予定されています。

地域資源を外国人(かつ地域づくりの専門家)の視点で見直し、助言を得て、本事業の参考とするのを目的としています。

ペルソナをインバウンドに設定し、ストーリー事業を進めているそらの郷では、今後さらなるマーケティング調査を行いペルソナを明確化し、オリジナルストーリーの策定に向けて進んでいきます。

2015.08.25

一般社団法人そらの郷~現地視察~

2015/08/07

一般社団法人そらの郷では、

『限界集落が挑む! 観光×急傾斜地伝統農業文化×特産品×交流=“感動共感産業”創出 “桃源郷「そらの郷」の確立”』

をテーマに、今回の地域ストーリー策定事業を進めています。

 

雲海を見下ろす桃源郷「そらの郷」を舞台に繰り広げられる今回のストーリー事業では、

『通常の観光地では体験できない、集落の中に入り込み、地域の人と交流することではじめて分かる、本来の豊かさ、“暮らすように旅をする”特別な経験を提供すること』をコンセプトにしています。

今回、候補地の現地視察に伺いましたので、その様子をご紹介します。

【三好市 吉野川】

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夏の時期はラフティングなど、川を使ったアクティビティが体験できるポイントです。平成29年度にはラフティングの世界大会が大歩危にて開催が決定しているそうです。渓谷の間を流れる川は、水は冷たく、透き通っており、大自然を体感することができます。

【三好市 集落】

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周辺の集落にも見られる石垣段畑は、今では造れる方はいないそうです。現在では地域の農業景観の重要な要素となっています。

そばや茶、すすきなどを栽培し、自給自足を目的としています。すすきは、家屋の屋根材となるだけでなく、農地の肥料としても利用しています。

山面が南向き・北向きなどで採れる作物が異なることから、周辺の傾斜地に位置する集落とは作物を物々交換して生活しているそうです。

【三好市 落合集落】

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重要伝統的建造物群保存地区に指定されている落合集落では、地域で昔から営まれてきている農業に関する工夫や知恵をうかがいました。

落合集落では、改装した茅葺きの古民家が宿泊できるようになっており、外国人が利用できるよう、ハイグレードの設備を完備しています。外国人は約1週間滞在し、この地域を満喫しているそうです。

現在、昔ながらの農法を現代まで継承しており、その価値を再認識し、後世に継承していくために、世界農業遺産の認定を目指している地域です。

【三好市 かずら橋など】

かずら橋は、現在人気の観光スポットとなっています。かつては集落の結界を渡るために設けられた橋で、キィウィの木で出来ているそうです。

しかし、観光客には、”結界を渡るための橋”ということはあまり知られていないストーリーです。